【コラム-10】先生の負担を減らす幼児向けプログラミング教材

プログラミング教育について思うこと、10回目の掲載です
今回は、先生の負担を減らす幼児向けプログラミング教材です。

先生の負担を減らす幼児向けプログラミング教材

 

 プログラミングを習いたいという需要は、幼児まで低年齢化しいる。さすがに幼児には難しいのではと思うかもしれないが、そうでもない。ScratchJr、Viscuit、Springin’、レゴSPIKEベーシックなど、対象年齢が4、5歳~のプログラミング教材がたくさんある。子供たちにプログラミングを習いたいという気持があることが前提条件だが、教材を上手く利用すれば、幼児でもプログラミングを学ぶことができる。

 

 「学ぶには早すぎるから、もう少し大きくなってからやろう」などと大人が学びを制限してしまうと、数年後にはプログラミングに全く興味がなくなってしまうのが子供だ。私の息子が小学4年生ぐらいの時、Flashアニメを作りたいと頼まれたが、私にその知識も時間もなく教えることが出来なかった。結果として、18歳になった息子はFlashアニメへの興味を失っている。子供の学習意欲を育むには、子供が学びたいタイミングに、できる限りすぐに応える必要があると思う。

 

 ただし、幼児向けのプログラミング教材を与えるだけでは、幼児はプログラミング教材を使いこなせず、すぐに飽きてしまうだろう。書籍やYouTubeなどを見て、自分一人で学習出来る子もいるかもしれないが、基本的には大人も含めて、プログラミング学習当初は教師の指導やサポートが必要だ。幼児には、より丁寧な指導が求められる。

 

 私は、幼稚園や保育園でもプログラミングを教えたいとう要望を受け、先生の負担を大幅に軽減するプログラミング教材「eJrプログラミング」を開発している。使用するプログラミング言語はScratchJrだ。日本語版は2022年4月に完成し、英語版は2022年の夏にリリース予定だ。

 

 今回の開発において最も重視していることは、「子どもたちが楽しく学べる」ことだ。宇宙、旅行、ダンス、乗り物、昔話、アニメーションやゲームなど、子どもたちが興味を持つ題材でプログラミングできるようにしている。全36レッスン(合計1200分)+15テスト問題と解説(120問)+36教師用ガイドで構成され、週1回の授業でも3年間しっかり学べる。

 

 また、現存するプログラミング教材は1年程度で完結するものが多い。週1回の授業を1年間続けただけでは、プログラミングはマスターできない。あとは自分で学ばなければならない。一部の子供は、短期間の指導がきっかけとなり一人でプログラミングを学び始めるかもしれないが、ほとんどの子供には年齢やレベル毎に、出来るだけ多くの教材が必要だ。

 

 今後も教室でプログラミングの指導を続けながら、学校やプログラミング教室でも利用できる教材を作っていきたい。